25年度の活動の当会のスタディツアは、51回になりました。今回は、要望の多い音楽のワークショップをヴィエンチャンで開催、そして、山岳地方のサムスム村の人々との交流が目的です。
首都ヴィエンチャンの発展に驚き、地方の素朴で温かい人々との交流に絆を感じたスタディーツアーでした。写真をまじえながらご報告します。
ハークゲオ小学校の音楽室・ホールにて、教師および教育関係者向けのワークショップ(研修)を行いました。
リズム感と音楽の基礎を身につけてもらうのが目的です。30名の幼稚園教諭や教育省関係の方が出席しました。皆さんとても熱心で休憩も惜しんで取り組んでいました。
・ハークゲオ小学校の音楽室とホールを借りて「音楽ワークショップ」を3日間行った。12月3日、開会式。
・初めて曲を弾く。緊張で少し硬くなっている先生たち。音楽を教えるのは、会員の時任さん(音楽専門家)。やさしく、繰り返して教えていく。
・ラオスでは音楽の授業が一般的ではないため、楽譜の読み方など基本的な知識を学ぶ機会が無い。
リトミックにも挑戦。体を動かすのは、たのしい。
・キーボードで曲の練習が始まる。「解るんだけど、指が動かない」練習は大変だ。でも、3日間で、2曲弾けるようになったのは、さすが。
・最終日、ハークゲオ小学校の生徒を招いて発表会を行った。曲を弾く先生の指は、小刻みに震えていたが、3日間で弾けるようになった先生たちに大きな拍手が送られた。
・当会の会員とボランティアサポーターの手作りのマリオネットのプレゼントに大喜び。アヒルの足がリズミカルに動き、音がとても楽しかった。幼稚園の子どもたちもきっと楽しむだろうと思うと、とてもうれしかった。
・ワークショップ参加者・スタッフ・支える会会員 また、来年会いましょう 。
2007年に建設したラオス・ドンカムサーン教員養成学校付属幼稚園の現状を見に行きました。
ドンカムサーン教員養成学校は大学になり、先生のための指導書を支える会と共同出版した時のウィラー先生は学長で活躍されていました。幼稚園も工夫がされて、実習生が多く学んでいました。
・2007年にここドンカムサーン教員養成学校に幼稚園を建設し、贈呈式に植えた記念樹が屋根を越えて見事に大きくなっていた。懐かしい出会いに皆感激した。日陰で遊ぶ工夫がたくさんできていた。
・元気な子どもたちの歓迎や歌に暑さを忘れ、国のモデル幼稚園として成長していることを見届けた時間だった。2007年に寄贈した井戸が、大活躍。
小学校校舎を建設するサムスム村小学校・中学校の現状と、新校舎建設予定地の様子を見に行きました。サムスム村の人々との協力体制の中で、学校建設をすることが私たちの希望です。今後、一緒に建設に参加してもらい、「私たちにできる“協力”を惜しみなくしていきたい」との思いを新たにした今回のサムスム村の人々との交流でした。
・野の花のブーケを持って、待っていてくれた小学生や村人たち。
・村長さん、校長先生をはじめ大勢の村の人たちとの交流会がなごやかに行われた。「これから学校建設に向けて協力してやろう」と、皆でカンパイ!料理は村の人たちが丹精込めて育てた野菜。やわらかくて、おいしーい。
・教育や村の様子の意見交換。言葉は、モン語→ラオ語→英語→日本語という具合に伝わってくる。村の生活には、電気と給水が一番望んでいるのだとか。
・子どもたちとの交流会。モンのお正月の踊りと歌で歓迎してくれた。会員が演じたエプロンシアターに歓声をあげて見入った子どもたち。始めて触れる日本語なのに、子どもたちは、物語の世界に浸かり、日本語を知っているかのようで大人たちを驚かせた。
・子どもたちと校庭で遊ぶ。周りで見ていた中学生や大人も大はしゃぎ。ふうせん割りのゲームは、大人も大興奮だった。
・サムスム村は、ラオスでも最貧地区。学校は、古くて粗末な建物だった。母語でないラオ語の勉強にはついていけない子どもが多い。残存率は、61%(ヴィエンカム郡)と言われている。先生の数も少なく質にも問題が大きい。子どもは、重要な労働力、よく働いている姿を目にした。小学校・就学前教室の建設予定地は、小高い森の中、下は中学校エリアとなる。
12月1日、星が美しい時間に家を出る。寒さの中、ラオスは暑いだろうと心配したが反してヴィエンチャンは、快適な気温で過ごせた。
ラオスの先生方は、授業として音楽を学んだことがないそうだ。今回、頭の中は音符でいっぱいになったことだろう。最終日の発表会では、皆、手が震えて止まらなかったが、聴いてもらえる程、上達しとても嬉しかった。
もう一つの目的サムスム村訪問、サムスム村の人々の大歓迎から始まった。学校建設を皆が待ち望んでいると感じた。貧困の村だから、子ども達も何もなくても良いということは、断じてない。
子ども達が楽しく学び夢を持ち希望が叶うようにさせたい。
5時間ほどの滞在で村の皆さんの素朴さと温かさを感じ、協力して、学習しやすい環境を造っていきたいと願う。
(時任志保子)
10日間のスタディツアーは、実に充実したものだった。
音楽のワークショップは、ドの位置も知らない先生たちが練習をして、徐々に弾けるようになっていく過程は、感動だった。キーボードやピアノのない幼稚園もあるが、たとえ無くても子供たちと、音程やリズムに気をつけて歌えるようになると思った。
ヴィエンチャンの変り様には、驚いた。人が溢れ、車も多く、ホテルやビルの工事が行われていて、正に経済の中心地だった。しかし、訪ねたサムスム村では、まだ、電気も、水も、ない。水は、1Km先まで汲みに行き、子供の仕事である。
学校は、これが校舎かと思われるような粗末さに実際に見て驚いた。机や椅子も、不足している。将来サムスム村がヴィエンカム郡の教育の拠点となることへの期待があり、教育の熱心な方たちが多い村人と協力して学校建設ができると感じた。
サムスム村の夕日がとても美しく、山とモン族の家が重なって疲れを忘れさせてくれた。
(長谷川典子)
ヴィエンチャン、ハークゲオ小学校でワークショップを3日間行った。先生方は一度もピアノに触れたことがなく、ドの音が一つしかないと思っていたとのこと。しっかりと時任先生のご指導についてくる先生方を素晴らしいと思った。最終日の発表会には、2曲弾けるようになり、嬉しそうな顔が美しく思えた。
サムスム村ではタラコン教育事務所長はじめ関係者の方々が大勢で出迎えてくれたのには感動した。村は、農業や山菜収穫での生活で、子ども達は、鎌を持って学校に行き、帰りは山菜取りをして生活を支えている。ここでも、家族愛が伺えた。水が無いため、1km先の川まで水を汲みに行く子ども達にも出会った。坂道を下ったり上ったり、でもみんな元気に頑張っている。私も、元気が出た。村長さんは、不便さを話しながら、何度も何度もお礼を言いながら感激されていた。
教育事務所長さんは、目的に向かって協力する大切さを村人たちに分かって欲しいと話されたので、一日も早く地域住民の皆様に喜んでもらえるよう、子ども達が楽しく教育を身につけてもらえるよう学校建設に邁進しようと思った。
(小林 光子)
ルアンパバーン市街地から山々を越えながら車で5時間。
途中で出会う人々も村々ものんびり、のどかである。
予定の時間を過ぎて到着したサムスム小学校には、整列して待つ子どもたちと村人がいた。
小学校建設予定地は、傾斜地で狭く、牛も草を食べていた。
ヴィエンチャンとはまるで異なる生活・教育環境である。
遠い水場までバケツを持って水汲みや洗濯に来る子どもたち、また、鎌を持って収穫に山道を歩く少女たち、そして重い米袋を背負って歩く老夫婦。
穏やかな笑顔とはにかみが印象に残るが、厳しい現実である。
“協力することを学ぶことが大切”と語っていた郡教育事務所長のことばを胸に刻み、
「私たちにできる“協力”を惜しみなくしていきたい」と思いを新たにしたサムスム村訪問であった。
(舩山 悦子)
ヴィエンカム郡で、出会った子どもたち